天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)

 

天地開闢に関わった五柱の別天津神(ことあまつかみ)の一柱。

『古事記』では、天地開闢の際に高天原に最初に出現した神であるとしている。

その名が示すとおり宇宙の真ん中に在って支配する神で、日本神話の神々の筆頭に位置づけられている。

そういう偉い神なのだが、その姿はほとんど神秘のベールに包まれているといっていい。

その後高御産巣日神、神産巣日神が現れ、すぐに姿を隠したとしている。

高御産須日神、神御産須日神とともに造化三神と称される。

造化三神はみな単独の神であった。

活動が人間には分からないだけで、天之御中主神は、その後に登場してくる多くの神々による一切の創造的な作業を司令することがその役割だったといえる。 つまり、果てしない創造力と全知全能の力を持つ至上神なのである。

 以上のように宇宙の真ん中に位置する全知全能の神という考え方から、天之御中主神は神社信仰や神道をきちっとした体系としてとらえようとする、いろいろな神道説のなかでも中心的な神として位置づけられたりしている。