櫛稲田姫命(クシイナダヒメ)


    別称

      櫛名田比売  奇稲田姫


高天原を 追放されて出雲に降り立ったスサノオは、ヤマタノオロチという怪物に毎年娘を食われているアシナヅチ・テナヅチの夫婦と、その娘のクシナダヒメに出会っ た。彼らの話によると、もうじき最後に残った末娘のクシナダヒメも食われてしまう時期なのだという。哀れに思うと同時に、美しいクシナダヒメが愛しくなっ たスサノオは、クシナダヒメとの結婚を条件にヤマタノオロチの退治を申し出た。アシナヅチとテナヅチは、喜んでこれを承諾した。

スサノオとの結婚が決まると、スサノオの力によってクシナダヒメは小さな櫛の形に変えられた。そして櫛としてスサノオの髪に挿しこまれ、ヤマタノオロチ退治が終わるまでその状態である。

スサノオがヤマタノオロチを退治した後、櫛にされたクシナダヒメは、元通り美しい娘の姿に戻してもらい、スサノオの妻となった。 スサノオはクシナダヒメと共に住む場所を探して、須賀の地に宮殿を建てた。


櫛を挿した巫女であると解釈し、ヤマタノオロチを川の神として、元々は川の神に仕える巫女であったとする説

●「奇し稲田(くしいなだ)姫」すなわち霊妙な稲田の女神

●父母がそれぞれ手摩霊・足摩霊と「手足を撫でる」意味を持つ事から「撫でるように大事に育てられた姫」との解釈もあり、倭撫子(やまとなでしこ)の語源。

さまざまな説がある。